はどの女の子よりも可愛ぇと思う。
ドジやし、天然やし。 だけど、それだけで好きになったんやない。
はまわりの子と違ったから、好きになったんや。
(ほら、女の子ってみんな男の前やと猫かぶるやん?けど、は違ったん)
「白石、んとこのクラス体育しとるで」
5時間目の授業中、前の席の謙也が俺にそう言った。
ゆっくり視線を黒板から外へ向けると、の姿があった。
「今日はお団子しとるわ。可愛ぇなぁ」 「……きもっ」
「きもってなんやねん」
「変態みたいやから」
「アホ」
謙也にチョップをしてまた再び千尋を見ると、
がこっちを見ていた。
(ここから俺のこと見えるんやろか)
そう思って軽く手を振ってみると、はにこっと笑って振り替えしてきた。
これがまた可愛いんや。ぴょんぴょん跳ねとるし。
そんな姿を小春とユウジに見られてはからかわれていた。
そんな姿もめっちゃ可愛ぇねん。
これが恋の盲目ってやつやろか。
すべての千尋の行動一つ一つが可愛く思ってまうねん。
(いや、実際可愛いんやけど)
そのまま千尋が体育を受けている姿をずっと授業が終わるまで見ていた。
謙也の言うとおり、俺変態かもしれん。(に、やけど)
「白石ー、がなんかこっち向いて叫んどるで」
「んー?」
授業が終わって次の授業の準備をしていると、窓を開けてそう言ってきた。
俺も謙也のところへ行って外をのぞいてみると、がいた。
「白石くーん」
「お前のこと呼んどるで」
「せやなあ」
「白石くんってばー!聞こえてるー!?」
が大声で俺を呼んでる。もちろん、聞こえてるけど返事はせぇへん。
「返事しろや」
「嫌や。俺のこと『蔵』って呼ぶまで返事せぇへんとくわ」
「はあ?」 「実はな…」
昨日の帰り。もう付き合って半年は経つのには俺のことを『白石くん』としか呼ばへんから
『蔵』って呼ぶよう言いつけた。本人はめっちゃ恥ずかしがってたけどなぁ。
そのことを謙也に話すと「あきれた」そう一言言って窓から離れていった。
けど、謙也かて彼女に下の名前で呼ばれたいやろ?
「白石くーん!!」
また俺の名前を呼ぶ。俺は聞こえないフリをして、耳を傾ける。
「もー…。蔵ー!」
怒りながらでもあるけど、今ははっきりと
俺のことを『蔵』って呼んでくれた。 めっちゃ新鮮で、ドキッとしたわ。
だから、もう一度聞きたくて。
彼女に『蔵』と呼ばれたくて。
俺はひとつ笑みをこぼして再び耳を傾けた。
聞こえへんフリでもしとこか
(もう1度愛しい声が聞きたいから)
白石は、彼女には変態だと思う。いや、エクスタシーって言ってる
時点で変態かもしれないけど(笑)そして彼女には甘えん坊で、嫉妬も深そう。
変態とか言ってるけど、自分にとって白石はテニプリで一番好きなキャラです。笑
(100419)
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